代表挨拶

Nakamura Toru

ご挨拶

租税法の概念について思案してみると、その範囲が実に幅広いものであることに驚かされます。⽐較的シンプルなものから、複雑な取引を包括的に規定した制度まで、⼈類の英知が⽣み出した、⾒事な創造物たるこの税法の秘めたる威⼒には、実に興味深いものがあります。
時代は、DX、AI等謳われる情報社会です。BEPSプロジェクトをはじめ、デジタルPE導⼊の議論、2017年のトランプ税制改⾰に象徴されるように、国際的な基準の確⽴‧整備が、⽇進⽉歩で進められています。
ところで、古今東⻄、強⼤な国家には必ず優れた税制が存在しますが、現在我が国の税制は、納税者にとっては必ずしもわかりやすいものでは無いのではないかと、予測可能性や法の安定性の観点から、私は危惧を抱かざるを得ません。
複雑さを極める税法ですから、いったん税務訴訟に発展すると、判決の確定が出るまで10年以上を費やすケースもあります。勝訴しても、訴訟にかかる弁護⼠や会計⼠など、外部の専⾨家に⽀払ったコストは計り知れないことでしょう。
その過程で、不整合な解釈に基づく税務の更正処分が、解釈の先例判決として、その後の課税に影響するのではないかと私は憂慮に堪えません。そのような不公平な課税を阻⽌したいとの願いをこめて当事務所を開設致しました。
税法の最⾼峰である税務訴訟を紹介することで、納税者にもっと税について知ってもらい、公平な課税がなされる国にしたい。それが実現できるとすれば、私にとってこれに勝る喜びはありません。

税の未来

税理⼠業界は斜陽産業であると語られることがあります。税務申告や経理代⾏だけでは事務所ごとの差別化を図りづらく、今後、AIに取って代わられるからです。
世界が多様化するにつれ、税法も⽇々進化しますが、曖昧さを内包した税法によって税務訴訟の必要もまた増してくると私は確信しております。
ところが、判例研究に専念している税理⼠や弁護⼠は極めて少なく、今後関⼼を向けられる成⻑分野であるにも関わらず、国家全体として⼈材不⾜にあえぐことは必⾄です。
納税者の意識と抵抗の積み重ねによって税法は築き上げられていきます。納税者である皆さんの改⾰意欲とエネルギーが必要なのです。我が国の税法をより良いものにしていきましょう。税制と未来は、私たち⼀⼈ひとりにかかっています。

PROFILE

肩書き・名前
代表社員 中村 徹
資格・所属
税理⼠
租税訴訟学会 理事
仕事に対する思い
クライアントを必ず守る信念だけは誰にも負けない気持ちで業務に挑みます。
趣味orマイブーム
マリンスポーツ・温泉・旅⾏